私をZeppに連れてって

ザ・バンドマン系ベーシストの雑記ブログ。テキーラは好きで飲んでるわけじゃない。

「疲れない弦の押さえ方」フォームの取得・左手編【エレキベース】

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右も左も分からないベース初心者の時、まず最初に当たる壁の一つが楽器を弾くときのフォームだと思います。

曲はそれなりに弾けているような中級者の人でも、伸び悩みを感じていたりする時はフォームが原因だったりすることもあるので、この機会に見直してみてください。

 

楽器を買ってみたはいいものの「周りに経験者もいないし未経験の状態からレッスンに通うのも怖い…」って方も結構多いですよね。

 

(これからベースを始めたい!って人はこちらの記事をどうぞ↓)
bringme.hatenablog.com

 

かといって教則本だと体の使い方まで書いてないものが多く、フォームは我流のままでよくない癖がついてしまい、後々直すのが大変なんてこともままあります。

  

とは言うものの、必要以上にフォームに気をとられる人も出てくるので、気楽に構えていただきたいんですが、結論を先に言うと

・「正しいフォーム」なんて存在しない

・自分の体にあった理想的なものを探してゆく

の二点に集約されます。

 

出オチ甚だしい?でも僕の言い分を聞いてよ、多分納得してもらえると思うんだ。

そう、エレキベースのフォームに「正しい」なんてない。

 

 

「正しいフォーム」は存在しない

そもそも「正しいフォーム」とは?って話。

 

エレキベースってボディの形だけでも色々なものがありますよね。

ボディバランスもネックのシェイプもスケールも、果ては弦の本数だってスタンダードチューニングの4弦だけではなく、多弦ベースだってあります。

ひとえにエレキベースといえど、それら全てを同じもののように扱うのは中々に至難の技

(というか多弦はもう物理的に弦増えちゃってるから、余弦ミュートの事だけ考えても「同じように」は不可能…)

 

そもそもあの質量の楽器を肩から下げて、左右非対称な重心に耐えながら弾くって行為自体が、身体にそれ相応の負荷をかけてるって事を念頭に置いていただきたい。どう抗っても絶対に疲れる

 

でも、弾き方によってそのストレスを軽減してあげる事は可能です。

 

あともう一つ考えなければいけないのは、道具側の不安定さに加えて人間も一人ずつ身体の作りに差があるって事。

同じ楽器を構えた時でも、A君の身体に合ったフォームとB君の身体に合ったフォームは違うって事。

冷静に考えれば当たり前の話なんだけど、なぜか教える側には型にはめたがる人種が多くて、意外とないがしろにされています。

 

っていうわけで、話を身体の使い方に移行していきましょう。

 

悪いフォームは確実にある

フォームに正解はない、とは言ったものの良くない弾き方と言うのは確実に存在します

ミュージシャンの大敵といえば腱鞘炎ですが、手首や指に過度なストレスがかかる弾き方をしてるとやはり腱鞘炎になりやすく、そう言った弾き方が「悪い例」に該当します。

 

指先の事だけを考えると、肩から手首までの関節の曲げ方で腱に適切な遊びを作ってあげられるのが理想ですが、ベースを構えるに当たってどうしてもそこから不都合が生じます。

極力折り合いのつく範囲内で理想に近づいて行く、と言うのが僕の考え方です。

 

理想的な左手の状態とは?

左手にストレスがかかってると腱鞘炎がどうの以前に、単純に弾く時に窮屈で運指がスムースに行えない、など演奏面にも影響があるので「なかなか上達しないなぁ」なんて人は練習内容の前にフォームを見直すといいかもしれません。

 

一番重要視しているのは手首から先の自由度を確保してあげる事

運指の精度の向上だけではなく、余弦ミュートを左手でもサポートできるようになってくるので、意識して取り組んでみてください。

基本的には手首が返らない状態を維持して行くのが理想(下記写真参照)ですが、腕の長さ等体格によってはハイフレット、またはローフレット側の片方だけ無理が生じてくることもあるので、その場合は適時自分のスタイルに合わせて、よく使うポジションの方を優先してあげてください。

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(参照写真1)ここがなるべく真っすぐ近いのが理想


曲がらないように手首をホールドすると言う意味ではなくて、指の関節の自由度を確保できるのが、この手首の位置なのであくまで筋肉はリラックスしています。

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(参照写真2)筆者のライブ中の写真。パフォーマンス中でも手首はリラックスしている

 

 指の開き方

「手首をなるべくフリーにしたい」とは言っているものの、根本が手に負担がかかりやすい楽器なので、手首を曲げない方がかえって指に負担がかかってしまうような場面は当然あります。

 

ただ、手首が曲がってても腱に負担がかかりにくい指の開き方があってですね。

普通指を開くっていうと、こう扇状に広げるけれど

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実はこっちの縦方向にも開くんですよ

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ご自身で測ってみてもらえればわかるんですが、扇状に広げた時の人差し指から小指までの直線距離とほとんど変わらないはず。

 

で、これも実験してほしいんですけど、

扇状に広げた状態で手首を曲げるのと、縦方向に開いて曲げた時どっちが楽ですか?

 

おそらくほとんどの人は後者が楽なはず。人間の体の構造上そうなってる。

 

で、この開き方のまま指を曲げて親指をそっとネックに沿わせてあげると…自然とシェイクハンド系のグリップになりませんか?

そういう事。

 

 弦に対する力のかけ方

「押弦」とはいうものの、指板方向に垂直に力をかけようとすると、親指も使ってピンチのような形で握力をかけねばならず、また、指板に向かって垂直方向にかける力は不用意に楽器を揺らしてしまい、力みの要因となってこれも腱に負担をかけるきっかけとなります

 

え、握らないってじゃあどうするの?って話ですよね。

感覚的な表現なので図解も交えますが、曲げてる指を弦にを引っ掛けて、そのまま腕の重さを地面の方にベクトルをとると…

 

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断面図

…自然と指板に弦が吸い付いていくんですね。

 

感覚を掴むとびっくりするくらい握力使わないんですよ。本当に親指使わなくていいくらい。

意識としては下に引いているんですが、筋肉の動きとしては手を握り込む(グーにする)時の動きなので、実際にも親指の力は使ってません。

 

理屈は謎。

人間、というか多分霊長類全般なんだけど、指に何か引っかかってる状態で、手から逃げようとする力がかかると、反射的に握ってしまう習性があって、おそらくこれを上手く利用してあげてるからだと思われる。…たぶん。確証はない。笑

グリップ(親指の位置)

ギターのグリップを調べるとクラシカルスタイル、シェイクハンドスタイルなんて出てくるかと思います。

僕がおすすめしているのは、上でも触れていますがどちらかといえばシェイクハンドの考え方になります。

 

ストラップを使って立って演奏する場合、クラシカルスタイルだとどうやっても手首を相当曲げないと押弦しづらいんですよね。

クラシックギターの構え方が僕等からしたら特殊で、それに沿ったグリップになるんで当たり前といえば当たり前ですが…)

エレキベースを弾く際においてはポジション移動がしづらい、力みやすくなってしまう等デメリットが多いので、僕はほぼ使いません。

 

前述した押弦の際の力のかけ方にも繋がる話なんですが、エレキを演奏する際は基本的に握力は使わないです。

親指はネックをレールにするためのガイドとしてしか考えていなくて、(もちろん握力をかける瞬間はあるけれど)基本的にはネックから離れてる状態でも他4本は押弦できるほどリラックスを心がけてます。

 

なので、具体的に「ネックの中心線に固定しろ」とかはなく、ポジションによって適時ネックに引っ掛けている位置は変わっています。

手が大きくてより安定度が増すのであれば、親指を置くラインを決めてもいいかもしれません。

 

 ネックの位置とストラップの長さ

演奏する人はステージに立ってなんぼだと思っているので、立って弾く事を前提に話を進めていきます

 

ストラップをかけて、手で支えず、ベースの自重でぶら下がってる状態にしてみてください。

 

ストラップの長さに加えて、体の厚さ、ベースのボディバランスで位置は様々に変化しますが、スタンダードなシェイプのベースであれば、ネックが体と平行から斜め前につきだすあたりで安定し、概ねヘッドが斜め上を少し向いたあたりで止まってくれてるはずです。

 

ネックは斜め前に突き出している方が好ましいので、体側に寄ってくるようであれば、多少上体をひねったりして構いませんので、できれば鏡も見ながら良きところを探してみてください。

 

で、この状態の所にひとまず左手でネックをグリップしてほしいんですが…

 

この時にすでに手首をがっつり曲げないと押弦がしづらい場合は、ストラップが長すぎるor短すぎるので長さを調節しましょう。

脇や肘の開き具合で手首をフリーにできる範囲はある程度確保できるので、調整範囲は意外と広く取れるはずです。

 

ピッキングする右手との兼ね合いもあるので、好みのポジションを探ってみてくださいね。

 

まとめ

ここまでどうでしょう!

 

つまるところ形から真似してフォームを意識しているのではなく、今までの事を1つ1つ意識していくと、左手のグリッブは自然とシェイクハンドスタイルのようなフォームになる、と言う事です。

「左手の自由度を確保する」

が、第一コンセプト。 

 

 

左手が自由になってくると、演奏の精度だけではなくサウンド面の向上にも一役買ってくれます。今まで意識してなかった人は意識を変えるだけで実感を得られるかと思うので、ぜひ一度試してみてください。