PJB(Phil Jones Bass) ベースアンプ用キャビネット CAB-27 レビュー
Session77やMicro7など、PJBのエントリークラスモデルに採用されている7inchスピーカー搭載のキャビネット。
コストパフォーマンスモデルかと思いきや、それだけに魅力をとどめない実力派でした、流石のフィル・ジョーンズ。
まだネット上のレビューも少なく試奏できるお店も少ないので、実際の使用感はどうなのか、ライブの使用を含めたレビューを残そうかと思います。
スペック
https://pjbjapan.com/news181015.html
2 x 7” PJB Woofers + 3” Tweeter
インピーダンス:8Ω 周波数特性:35Hz - 15KHz 耐久入力:200W
寸法:330 (H) x 320 (D) x 430(W) mm
重量:13.1Kg
(メーカーサイトより引用)
入出力はスピコンのみとなってます。
最近流行りの軽量小型のヘッドも大体スピコンなんで特段不便は感じないでしょう。
バスレフが二つ開いてるんですが、背面についてるので環境によっては設置場所に工夫が必要です。
上下の外装がベースアンプでよくあるフェルトみたいなモケモケしたやつなのが玉に瑕。埃溜まるからあまり好きではない…
埃よけのカバーがデフォルトでついてきますが、安っぽくて良いから全面樹脂がよかったかな。
使用環境
ベースアンプヘッド:Markbass Little Mark 250 Black Line
ベース:エレキベースのみ
小さなカフェや飲食店などでのライブ演奏用途がメインで、今の所は音量・音圧共に十分稼げてるので単体での使用の感想になります。
良い意味でハイファイ過ぎないサウンド
PJBのイメージって5インチのスピーカーを採用した、どちらかといえばオーディオライクなハイファイサウンドが代表的だと思うんですが、エレキベースをメインで使うには抜けが良過ぎてアンサンブルに馴染まない場面がある等、個人的にはあまり得意なサウンドキャラクターではありませんでした。
その点7インチスピーカーを採用してるモデルは、それまでのPJBサウンドとは違ったデザインがなされていて、より幅広いベーシストにも馴染のあるキャラクターになってると思います。
通常ベースのキャビのスピーカーは小さくて10インチからが一般的ですが、7インチという他のメーカーにない独自のスピーカーのおかげか、あまり音量があげられない環境でもオイシイところがちゃんと持ち上がってきてくれたり、タッチレスポンスも素直で良好です。
サイズダウンすると不安なのが低音の量感と音圧感ですが、その点は流石のPJBで、ベーシストが感じたい音圧感と倍音・音程感の聞き取りやすさはコンパクトなキャビネットにも関わらず高いレベルでまとまっています。
スラップ時のプルの音やがっつりエフェクトで歪ませた時の倍音でも、ツイーターのおかげで気持ちよく鳴ってくれますね。
キャリーに乗せて電車移動ができる重量と大きさ
13kgと同じようなクラスのキャビネットと比べても軽量で、みんな大好きマグナカートに乗せれば都内の移動程度だったら問題なく持ち運べます。
可搬性に焦点を当てるんであれば、それこそ同社のCUBや同サイズでキャビ部分のみのBC-2に軍配が上がるんですが、先にも書いた通りサウンドキャラクターが苦手なのと、持ってるアンプの出力が許容量ギリギリなもあって選択肢には上がりませんでした。
総評
PJBのモニターのしやすさはそのままに、より楽器的なアプローチがされ、価格を超えたポテンシャルを持ってるキャビネットだと思います。
クラスDアンプが浸透してきて軽量コンパクトなアンプも増えてきてますが
「軽量化されて、かつクオリティも大型機種と同等」
というわけにはやはりいかなく、可搬性を視野に入れたアンプの選択ってベーシストにとって未だ非常に悩ましいジャンルですよね…
ヘッドとキャビネットを同じメーカーで統一するのももちろん悪くないですが、拡張性も考えてセパレートタイプのアンプを使っているならば、環境に応じたキャビネットを選ぶ時にメーカーの統一にこだわる必要はないわけですよね。
CAB-27は素直なキャラクターなのでヘッドに何を選択してもおそらくイメージ通りの出力をしてくれるはずです。